AICS®(エーアイシーエス)とは、血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人とがんである人のアミノ酸濃度のバランスの違いを統計的に解析することで、現在がんであるリスク(可能性)を評価する検査です。
●AICS®の特長
・血液を用いた、がんリスクスクリーニング検査です。
・1回の採血で、複数のがんを対象としたリスクについて、同時に検査することができます。
・早期のがんにも対応した検査です。
●検査の対象となるがんの種類
男性では、胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、前立腺がんを対象としたリスクについて評価します。
女性では、胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、乳がん、子宮がん・卵巣がんを対象としたリスクについて評価します。ただし、子宮がん・卵巣がんについては、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんのいずれかのがんであるリスクを評価することはできますが、それぞれのがんのリスクについて区別することはできません。
●検査の対象者
AICS®は下記年齢の日本人(妊娠されている方を除く)を対象として開発された検査です。対象年齢以外の方のAICS値は評価対象外となります。
一部のがんについて対象年齢外となる方が受診された場合でも検査結果は報告されますが、対象年齢外となるがんについてのAICS値やランク判定の結果については評価対象外となります。
●AICS®の結果に影響を与える可能性がある病気について
現在下記の病気にかかっている方は、AICS値に影響を与える可能性がありますが、検査の対象外とするものではありません。
AICS®を受診することによって、がんを発見できる機会となると同時に、下記の病気による影響で、がんではないのにAICS値が高くなりうることをご理解いただいた上で、ご受診ください。
現在までに各種AICS®の結果に影響を与える可能性が分かっている病気
- AICS(肺):慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、非結核性抗酸菌症、肺結核、肺気腫、無気肺
- AICS(前立腺):前立腺肥大、糖尿病
- AICS(子宮・卵巣):子宮筋腫、子宮内膜症、良性卵巣腫瘍
- 複数のAICS®:脳梗塞
●受診前の注意点
検査前8時間以内に、水以外(食事、サプリメント等)は摂らないで、午前中に採血してください。
検査時に妊娠されている方、授乳中の方、がん患者(治療中を含む)の方、先天性代謝異常の方、透析患者の方は、AICS値に影響がありますので検査は受けられません。
●検査の結果について
AICS®は、それぞれのがんについて、現在がんである確率を0.0~10.0の数値(AICS値)で報告します。リスクの傾向は数値が高いほど、がんである確率が高くなります。
また、このAICS値からリスクを判断する目安として、「ランクA」「ランクB」「ランクC」に分類され、がんであるリスクの傾向が3段階で示されます。「ランクA」よりも「ランクB」、「ランクB」よりも「ランクC」が、がんであるリスクが高くなります。
AICS®はがんであるリスクを評価する検査で、がんであるか否かをはっきりと判断するものではありません。